9月中旬、郊外の小山の上に建つ別荘ホリヴェルティが、俄かにざわつき始める。
別荘に隠れ住んでいる郝姉妹は、真っ暗な路地で一組の少年少女を救う。
少年の名前は周御城。前日の夜、黒い影に襲撃されたこと以外は何も覚えていない。
彼と一緒に救出されたのは、御城の「元」彼女である夏雪源。
彼女はこの別荘から、ただひたすらに御城を追い出したがっていた。
突然、謎の女が窓を破って侵入してきた。
タイトで存在感のある真っ黒なロングスカートを着た女は、何も言わずに光弾を投げつけてくる。
わけも分からないまま絶体絶命の状況に追いやられた一同であったが、「アニー」と名乗る女性が現れ皆をこの窮地から救出した。
事の真相を探るため、アニーは「enja防衛科学研究所」への潜入を提案する。
脳に霧がかかったように何も考えられないでいた周御城だったが、アニーは彼の身体に発信器を見つけ、疑念を抱く。
このことで、周御城も自身が事態に深く関与していることに気が付き、同行を決意する。
彼らは、「enja防衛科学研究所」の地下室で、さらに恐ろしい事実を発見する。……
黒い影、信号発信機、謎の女、恐ろしいトンネル、夏雪源の亡き父、音もなくされている監視、突然現れる刺客、幽霊が出る廃墟、封鎖された空間、床下にある何か、天基無敵砲台、高軌道環状スペースステーション、Creatorたち、真言、外界の力、GS、宗教戦争、そしてアニーの話の中だけで存在する組織。
これらの一見無関係に見えることが、周御城とどう関係しているのか?
すべての始まりには一体何が起こっていたのか?
すべてが繋がったとき、世界はどのような未来を創造するのだろう?
長らく寂れていたホリヴェルティ邸が、一年の間、不気味に活気づく……。